11/30(SAT)
ある程度ライブを見ている人なら泣かずに送るのは無理があったであろう
「人物」が透けて見えるような熱く暖かい夜でした
ライブ後に呟いたけど
脱退とか解散とか そうゆう時のライブって
こちらにも結構全部見えるじゃないですか
私はアーティストの人格がどうであろうとそこにはあまり興味がないですが
バンドをしていく上での関係を作る根本の「人間」という部分は
凡人以上にしっかりした骨組みを持っていないと
バンドが保たないし こうゆう時に見えるものなんだろうなと思った
そしてそれらが剥き出しにされた上で
RAZORはクソかっこいいバンドだと再確認するようなライブでした
Dr.哲也さんの脱退が発表されたのが先月
ニコ生の配信も決まり自宅参戦も出来たわけですが
最後にどうしても生音を聴きたかった どうしても
予想通りの混雑で
箱に到着しても開演寸前までホールに入れませんでした(←毎回書いてる最近)
音源所持が歯抜け状態のためセトリが書けませんが
覚えている範囲で順を追って記録します
昨年のBLITZを見ていないので
私の中ではRAZOR史上初(というか猟牙史上初というか)の派手でお金掛かってそうなステージセット
ドラムどんだけ祀り上げるんやと思うくらい 2mはありましたよね
あのドラム台
神様として祀られる感満載のドラム台(笑)
そしてそこには大きく「RAZOR」と電飾が仕組まれたエンボス
15分ほど押しての暗転で神様から登場
黒に金のメッシュが入った右側の髪を揺らしながら
ゆっくりと確かな足取りで本日のセットに昇り向かいます
次に出てきたのが剣さんだった気がしたんですが記憶違いかもしれません
神様に気を取られすぎてあまり見ていませんでしたが
一人ずつ尺を取った登場だったのを覚えています
最後に出てきた猟牙さんの華々しさに息が止まりました
ボリュームのある銀髪をポニーテールにして
真っ赤なイレギュラーヘムのロングジャケットを纏いお立ち台に足を掛ける
それだけでステージの空気が一転するくらいの強烈なオーラがあります
照明と後ろのロゴエンボスを赤く光らせ重く始まったのはANOTHER
これ最初のアルバムに入ってた曲ですよね
ギターを高い位置に構えてリズミカルに奏でる衍龍さんのプレイスタイルに魅了され
それをブログに書こうと思ったら漢字が変換で出てこなくてオフィシャル行ってコピーしてHTMLでペーストしたのも昨日のことのようw
続いて音が綺麗で切ない消えない痛み ここから4曲目あたりまでは
普通のFINALと同じ楽しくワクワクする時間が続きましたが
5曲目(?)にLIQUID VAIN この曲自体が持つエネルギーのせいもありますが
ステージを囲うように構える照明が全て十字架型に照らされ
その中心で片手を上げ前歌を刻む猟牙さんのカリスマ感が半端なくて鳥肌立った
ブレイクダウンのところバスドラ煩くないのに正確だし
昨日はそこからギターソロに向けて一音ずつ昇っていくところの8小節がメンバー誰を見てもヤバかったなんか
なんだあれは
ここから会場の空気がガラッと変わり一気に一つになった感じがありました
歌唱力も表現力も大きなステージに全く引けを取らないものになっていて
イノセンスのサビの伸ばす部分とかLOCUSなんかは目を閉じて聴いたら切なくてたまらなく
心の奥深くに訴えてくる重みがありました
メンバー全員が今夜をとても大切な夜だと捉えているのがよくわかる
DAYBREAKのサビの一体感凄かったよね それが 逆に哀しくて
会場の様々な感情が入り混じるとても愛しい時間でした
千年ノ色彩 Aメロとアウトロのドラムがめちゃくちゃかっこいいので
そこばっかりリピートして聴いてた
MVで背中を丸めて走る哲也さんがかっこいい
素人なのでドラムの上手い下手はよくわかりませんが
正確な手捌きと底知れぬパワーを兼ね備えた個人的に好きな音を出すドラマーさんでした
RAZORになってから音源のクオリティーが大幅に上がった気がしたのは
ドラムが大きな理由ではないかと思ったのも記憶に新しく
(猟牙さんの前盤は前盤で大好きなのであれはあれであれが良かった)
この曲を聴いて やっぱり来て良かったと思った
ハイビスカスの猟牙さんみた?????????????
モンキーダンス(この曲よね?w)の真似するあの動きの可愛さというかあの人のステージパフォーマンスは本当パーフェクトだと思う
可愛いとかっこいいを兼ね備えてて時に勇敢に立ち向かう侍のようにも見える
私が見ている範囲はごく狭いものではありますが
10年かけて何十バンドも見てきた中で猟牙さんという人が
ヴィジュアル系バンドのフロントマンとしては一番です
一番好き とか ボーカリストとして というより
この人が理想のフロントマン
このポジションに彼以上に相応しい人を今のところ知りません
何の曲だったか哲也さんとこに駆け上ってった猟牙さん
階段の昇り方振り返り方降り方全てがパフォーマンスとして完成されている
Labyrinthのサビがくるくるモッシュだったことに驚き
会場はこの上ないほどの笑顔で埋め尽くされ
本編はBRILLIANT で終了(記憶が正しければ)
高音に飛ぶところ綺麗だったな RAZORは曲が綺麗だ
ーアンコールー
眼下にRAZORと大きく光るドラム台に君臨する 哲也様 ドラムソロコーナー
一人で出てきて あの凄い台に上り
ひとたび音を出してしまえば誰よりも堂々とリズムを刻むというのに
マイク通して喋ろうとすると癒しキャラですか 彼は
あまり知らないので解説しずらいですが
「元気ですかー」×2・・・
「あのぁ・・ ああああもう!・・」
「ああぁあ・・やばい ・・・」
「あの バーンてやったら な名前呼んでください・・!」
可愛いかよ?
だが叩き出したら別人w
この後の 一曲目だったかな
アンコールでは何かしらこうゆう演出があることぐらい誰もがわかっているし身構えてもいるのだけど
この曲で全記憶が消え去ってもおかしくないくらい
凄い曲がありました
ADAMZ
旋律は決して暗い曲じゃない だけど ”俺には見えてるんだ”
羽を広げ空を舞って 望んだ夢さえも越えてく様
擦り切れた体も アートと成りゆくから
静けさが訪れ サビを まずは客席が声を揃えた
そのたくさんの声全てを受け止めるような表情で
続いて猟牙さんがマイクレスでここを歌い始めた
ある瞬間
猟牙さんがくるりと振り返り 哲也さんに対峙して
全身全霊で声を絞り出す まるで客席の想い全てを猟牙さんの体に入れそれを彼に届けるように
しかし途中で手に握りしめていたマイクをゴトンと落とした
手に何も持たず体一つで 今度は客席を背負わずに
猟牙さん自身の想いを全身で哲也さんに届けていたように見えた
こちらに向き直ると
それはいつもの 客席と共にライブを作るステージマンの表情に戻っていて
私たちは一瞬の幻を見たかのような恍惚に包まれた
あの勇ましい後ろ姿と
それを真っ直ぐに受け取る彼の表情はきっと
私たちの心に生涯刻まれるものになるんだと思います
この後
メンバー全員から一言ずつという 恒例のコーナーがありました
下手の二人は前盤時代がある分
ステージキャラクターが崩れる寸前の言葉で止めているように思えましたが
剣さんがウーパールーパーひとりひとりの名前を呼び朝は彼らに挨拶をしてきた話から始めてくれたのでだいぶ空気が和らぎました(笑)
「てっちありがとー!」と顔を合わせた時はいっぱいいっぱいに感じましたが
こうゆうとこやっぱり お兄さんですよね
3周年なのに3年目を迎えると2回言ってしまった猟牙さんにも
小さく指で「4」ってやってた優しいお兄さん w
それで猟牙さんですが
「みんなに言ってなかったことがある」と言った瞬間から
見えない部分で覚悟を決めたのがわかり喋り出す前から泣けてきた
ある程度の長さがあったので正確ではないと思いますが
記憶している範囲で記しておきます
前のバンド辞めて このバンド始めることになって
最初 アー写出たでしょ?バーンて
そしたらなんか”アー写微妙です”とかさ
IZAさん誰ですかとか 衍龍さんの墨って描いてるんですか?とか
哲也さん 見たことあります とか
剣さぁ〜ん♡ 剣さんならなんでもいい〜♡って (剣:手で「ちょっと・・・ちょっと・・」)
猟牙さんの赤髪嫌いです とかさ
賛否両論 ちょっと否 もあって
そんな中 この5人でずっとやってこうってさ
ひとつだけ
みんなに言ってない
本音が あるんだけど
永遠なんて ないかもしれない
でも 信じて 突き進んでいくって いうのが
また バンドをやってく ための
ひとつの大事な 動機だったの
脱退決まって 発表した時
俺嘘つきんなっちまったなって
思った
なんか 自信無くして
あー俺やっぱ人引っ張ってくのとか向いてねぇのかなとかさ
このツアーでね?
哲也と俺 ねぇ 1回 大喧嘩 もう
取っ組み合いのさぁ
そん時哲也の頭が俺の鼻に当たって俺泣きそうんなりました
もうなんか お互いの怒声が響いてさ
俺も いやいや続けようぜっつって スタジオでね?
でみんな やめろよやめろよって 止めに入ってさ
俺 こんな喧嘩 … したことないですよ
今まで
でも哲也は俺らのこと裏切ったわけじゃなくて
哲也もどうにかして続けようとしてくれたし
でもどうにもならない事情があってさ
5人で RAZOR始めて 3年経ったら
宝物がいっぱいできてたんだよ
ここにいる たくさん大切な人達とか
生み出した曲はもう俺達の子供みたいなもんでさ
俺達はもう
それを置いていけないんだよ
哲也が抜けて これから 試練
メンバーがひとり抜けるって 試練ですよ
哲也いなくなって RAZORダメんなったなって言われないように
するからさ
悲しい思いさせてごめん
絶対また やっぱRAZORかっけぇーって
言わせてみせるから
絶対 着いてきて良かったって言わせてやるからさ
表情一つ崩さず 声を震わせることもなく
これほど大切な言葉を紡ぎ出す猟牙さんを見ていて
その芯の強さに心が震えました
本音だったのだろうと 思うんですよね 本当に
誰でも覚えあると思うけど
本音って 口に出すと泣きたくなるでしょ
だからそれを隠して怒りに変えたり誤魔化したりする
かっこつけて嘘を吐き出す方が 余程楽なものなのです
それをあれだけ大勢のファンを前に カメラも前にして
凛とした表情で伝えるというのは
並大抵のメンタルではとてもできないことで
だけど彼も最初からそんな強さを持った人じゃなかったよね
あれだけのステージに立ち客席を埋めるフロントマンとして
死ぬほどの努力をしていると思った
「悲しい思いさせてごめん」これが普通言えないよ
こんなMCの後に嫌、嫌、嫌。だったので
みんな泣きながら拳上げて泣きながら ヘドバンして
でもこの瞬間こそが生きてるって 感じでした
最後のこの2曲に 全部込めるからと
RED ZONE PRIMARYで3周年ライブが終了
RAZORから哲也さんが脱退しました
哲也さんが下に降りてきた時に
男女のような長い抱擁をIZAさんと交わし
見たこともないほどボロボロの衍龍さんとガシッと強く抱き合って
猟牙さんは「最後だから俺も言っちゃおっかなー!?」と
ありがとうございましたーーー!
お前とバンドやれて良かったよ
少年のような笑顔で哲也さんの顔をしっかりと見ていた猟牙さんの姿が今も焼き付いています
終わって外に出るとお客さんみんな目が真っ赤
でもとても満たされた表情が溢れていました
終演アナウンスが流れ 公演が終わってからしばらく経っても
いつまでも鳴り響いていた アンコール
それが全てで それが答えなのでしょう
”お前の背には
羽が生えてるんだ”
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なんか
感情がグラグラするじゃない こうゆうライブ見ると
会場のエネルギーもそうだから 巻き込まれてもいるんだけれど
このグラグラが”生きてる”なのかなぁと思いました
みんな 苦しんでるんだよね
華々しく見える誰かも 幸せそうに見える誰かも
もちろん私も
もう10年前になりますが
初めて好きになったバンドのメンバーの脱退が決まった時に
失恋した時以上に泣き続けてたことがあったんですね
そんなに好きにさえならなければあんなに苦しまなくても済むわけで
当初はそこを後悔したくらいだったんですが
それほどの”好き”も”悲しい”も”苦しい”も
もちろんライブ中の今死にたいくらいの幸せも
「生きている」という実感が半端なかったのを思い出したんです
どんなネガティブなものであっても
素直な感情を感じるって イコール生きてる
それが「自分」そのものなのかもしれません
RAZORのお客さんは
凹んでもうバンギャ上がりますみたいな人
良い意味で少ない気が勝手にしてますが
それほどに好きな何かって 私たちを生かしてくれる大切な財産ですよね
バンギャは凄い物を貰ってるんだな
自分の今一番の推しがひと時消え去るくらいのw
ものすごいライブを見せて頂きました
ありがとうございました
記憶違いなどありそうですが
お読み頂きありがとうございました
See you next gig.