SOLITUDE-klang

ヴィジュアル系オタクの冷酷で情熱的なライブレポ

摩天楼オペラ10th Anniversary 「PANTHEON TOUR -overture-」@EX THEATER ROPPONGI

※この記事いつもより少し長いな

MCは記憶だけで書き繋げてますので空耳は広い心で受け止めてください

Blu-rayになるようなので楽しみにしてる方は読まないでね

 

 

3/2(FRI)  満月の夜

 

f:id:SOLITUDE:20180303123732j:image

EXって後方座席にできるんだね

しかも段状になってるからどこに居ても見やすい作りになっていて感動した

広いのにステージ近っ

 

 

摩天楼オペラは好きだけど

往年のオペラーというわけでもないので

悠さんFINALの日だとは知っていたけれどいつものツアーファイナルを観るような感覚で向かった

ただオペラのライブって いつもどこかで感動させられるよねっていう程度の認識で臨んだら想定以上の素敵なライブで未だに余韻から抜けられずにいる

これは年末に書いているライブ振り返りブログでベスト3に入るかもしれない 

 

 

ギリギリに着いたら入場に結構時間がかかってしまって

会場入った時にはメンバー登場終わってたんだけど

ステージに目をやったら眩しくて見えないくらい白く光り輝いていて

何か特別な夜を感じさせる空間が広がってた

 

バックドロップがあるわけでもなくシンプルなステージセット

後方の大きな円はオペラのマークをイメージしてたのかな
今日はドラムセットが高い位置にあって悠さんの足元までよく見える

 

ほどなくしてPHOENIXが始まった

今までバスドラの圧が私の内臓には刺激過多だったためあんまり気持ちよく聴けた記憶がなかったのだけど

箱のせいかな

今日はまったく不快に感じない

彼の叩く最後のPHOENIXかと思ったら
一音一音逃さずに全部聴かなきゃいけない気がしてずっと見てた

少し頭を左に傾け腕に近づけながら全力で

でも楽しそうに奏でる これがオペラのドラムの音

 

 

サポートのJaYさんはKAMIJOさんのROSE FESの時に見た人と同じ人だと思うけど

髪を切って摩天楼オペラ感薄らいでw

アン様のようにドラムに向かう階段を駆け昇っては気持ち良さそうに弾いてた

メンバーでは?

Curse Of Blood終わったあたりだったかな 最初のMC


苑「今日はもうこれ以上入らないって人数をぶち込んでます」


見たことないような数字 

悠さん脱退の発表をしてから更にびっくりするような数が出たって

過去最高の動員のようなこと言ってた

 

苑「PANTHEONツアー ずーーーっと 長く回ってきて
      数十人っていう地域もあったりしてさ
 でも不思議とさぁ
     みんな突き刺さるような声出すんだよ」

 

その数十人の箱に負けるなという煽りで会場を盛り上げ

BURNING SOULのタイトルコールでは歓声が

パワフルなツーバスに乗ったあのスーパーハイトーンは

こちらももう聴き慣れすぎていて 

これがなくなることが想像できない

サビではGLAYチョップならぬオペラチョップでw熱い会場の空気を刻む客席

この景色がもはや感動するんだけど(笑)

 

Justiceを久しぶりに聴きました

活動を重ねるに連れ徐々にメタル色が濃くなってきたように思うけれど

初期の頃の曲は苑さんの声で歌うと行き場のない想いを握り潰すかのように感傷的で

聴いていると身に覚えのある痛みが蘇った記憶がある

シンフォニックでありながらも切ない独特のオペラサウンドを貫いていて

このアルバムぐらいまでの曲が好きだったなぁなんて思いながら

 

あやくすのキーボードが映えるインスト曲SYMPOSIONを挟んで

ゲストコーラスKAMIJOさんの登場

苑さんがステージに出てきてすぐ呼んでた

KAMIJOさんはEpic Rockの衣装 シンプルな黒いロングコートでヒラヒラとしなやかに現れると

覇道の火よ 

コーラスだからなんでしょうけれど

やっぱりこのドラムにしてこの声

あのドラムにしてKAMIJOさん

うまくできてるんだなと思った(笑)

 

エレガントな元上司は

可愛い息子たちの大事な瞬間に華を添えて脇役に徹する

ボンジュールと3度ほど挨拶をして

摩天楼オペラ 10周年おめでとうと叫び

一曲だけで去ってった

 

 

クロスカウンターを狙え

会場みんなが宇宙に手を掲げるシーンは

それを眺めているだけで心が震えるような力を持っている

苑さんのビブラートに合わせて僅かに揺れるたくさんの手が

今見えているこの景色をずっと覚えているよと言わんばかりに力強く

とても冷静には見ていられなかった

 

ここでびっくりした EVE

私初めて生を聴いたかもしれない

なんの曲かわからないけど古い曲!なにこれ!

結局終わるまでタイトルが思い出せなかったんだけど

この何かわからない懐かしい曲を聴けたというだけで嬉しく 哀しくなった

苑さんの慣れないデスボが懐かしい

 

最近のライブでも時々聴くことができたANOMIEも私が好きな時代の作品

初めてサンホで見た悠さんは別人のように細くw濃いメイクで美しかった

Voyageが終わると何か話し出す模様

 

苑「今日はもう 思いっきり楽しもうと思ってきたんだけど・・

   悠とは18年の付き合いで・・ もう 家族 

   悠 何か話す?」

 

悠 「前に出て喋ります?」

 

と 

ジムでトレーニング中のようなスタイルでステージ前方に現れた

 

悠「専門学校で苑に出会って ハロウィンのコピーバンドから始めてね?
  でそのあと苑はヴィジュアル系行って 俺はメタル行って・・ 
  だけどどうしても苑とやりたかったから
  一緒にできるんならメイクぐらいなんだ!っつってさ 

  メイクしたら俺なんか原型留めないくらい濃くされちゃって

  

  脱退発表して 申し訳ないんだけど今

  今はまたね すごく音楽が楽しいです」 

 

そう言って 笑顔でドラムセットに戻る悠さん

 

燿 (悠さんの方を見ながら) 「あなた愛されてますね」

 

客席 「悠~ゆぅ~〜!」

 

燿 「ありがとありがと あのー
  みんな悠って言ってるけど結構ねぇ 燿って聞こえるんだよね
   3割ぐらい俺だと思ってるから

 

 俺はこの2人のことずっと見てきて

 最初はね 苑なんか髪ドレッドで この世界全部敵みたいな顔しててさ」

 

苑 「ブレード(ブレイズ)でしょ?笑」

 

燿「悠くんもあの頃はね ギラギラしてて・・

 悠くんがね 辞めるってなった時に
 正直 摩天楼オペラどうなっちゃうんだろうって思ったんだよ
 俺は結構こう 先を考えて色々心配しちゃう慎重なタイプなんだけど
 でその時にさ   これ言っていいのかな?」

 

苑 「やもういいよ 包み隠すことなんか何もないよ」

 

燿 「あの時苑が真っ先に”俺は摩天楼オペラの曲を摩天楼オペラで歌いたい”

  って言ったんだよ

  それで 俺も肚が決まったっていうか」

 

彩 「正直今日で最後っていう実感がないんですけど
  それは悠くんの家の近くのスーパーでよく買い物してるからかな

  この2年 摩天楼オペラは 2人ね  抜けて

  でも僕らまだ何も達成してないなと

  まだまだやらなきゃいけないことたくさんあるし
  腹括ったっていうかね…もうくくる腹もないですよ

  へこんでますよ腹も

 

  ねぇ…
  でも僕達さ ヴィジュアル系なんですよ
  ヴィジュアル系っていうのは…何度引退しても戻ってこれるっていう

  それがヴィジュアル系!先輩たちを見習って・・」 苑 「ちょ…ちょっとちょっと 今日結構カメラ入ってるからね?」

 

彩「30にして立つ 40にして惑わず 50にして天命を知るって

言うじゃないですか」

(高学歴な発言すぎてよくわからなく私検索かけましたw)

彩「一度引退はするけどね
  悠くんがまたねぇ ドラム叩きたいなぁってなったらね(^ω^)ニコニコ」

 

悠 「プロのミュージシャンを引退するってことで
   ドラムは…まぁその辺のスタジオ入って叩くだろうし…」

 

彩「嬉しい言葉が聞けましたね〜」

 

苑 「音楽ってもっと自由でいいしね」

 

 


苑 「18年間ね…友達としても一番付き合いが長かった
  一番酒を交わした人  呑んだね 」

悠 「昔は週3くらいで呑んでたね」


苑「俺のさ 家の前の この敷地内で 

  鞄の中身ばぁぁーーってぶちまけてさ

  そんで怒って帰ったんだよね?」

 

悠 「ちょっと今日親とか地元の友達とか来てるからやめてよぅ~」

 

 

苑「俺の後ろではいつもさぁ このバスドラが鳴っててさ
  俺がシャウトすればスネアが聞こえて

  俺がハイトーン出せば後ろでドコドコいうって
  もう・・当たり前になってたから

  その 音が だんだん弱くなってきてるのも
  ずっと背中で 感じてたし
  ドラムと向き合いたいのに向き合えないその悔しさとかも全部さ
  ずっと後ろに 感じてきたから もう本当…

  ・・なんもできないよね
  俺にはなんもしてやれなくて…励ますことぐらいしかできなくてさ

 

  本当…(後ろを振り返って)

  悠がいなかったら俺ここまで来れてない  ありがとう」


と言ってから苑さんはなかなかこちらに顔を向けなかった

悠さんは苑さんの顔を見ながら何度もウンウンとうなづいていて

 

苑「もう今日は食え 体型変わるくらい食え」

悠「肉??(((o(*゚▽゚*)o)))肉??(((o(*゚▽゚*)o)))」

苑「食って呑め そして吐けばいい」

悠 「それ帰れますかね俺」

苑 「やそこまではちょっと責任持てない」

 

 

 

苑「ここで 絶対に足を止めたくない

  これからも音楽を続けます そしてまた悠にも届けられるような

  人生を送っていきます」

 

 

メンバーの人間性が窺い知れるここのMCで

心を動かされないファンがいるだろうか

誰よりもメンバーが一番惜しんでいたし

もどかしくて悔しくてどうしようもないけど

戦友の強烈な痛みを全員で受け入れていこうと決意した

その強く暖かい決断に見ている方も心の奥が揺さぶられる

 

苑「悠が 唯一骨組みを作った COCOONていう

  インディーズの一番最後の曲があるんだけど・・・」

 

パキパキとサイリウムを折る音を聞きながらw

 

苑「めっちゃパキパキ言ってるじゃんw・・うん

   俺の話聞いて?

 

 

だってこんな説明があったので(笑)

      ↓ ↓

f:id:SOLITUDE:20180303195846j:image

演奏を止めて何度も繰り返すCalling youの部分は

全員客席を一人一人見ていた

 

 

本編最後

摩天楼オペラの原型とも言えるalkaloid showcase 

あとどのくらい一緒にいられるのだろうという想いがステージから伝わってきて痛い

そして本編が終わった

 

~en①~

アンコールは思ったより抹茶だったというTシャツで登場(笑)

確かにバンTとは思えない渋さw

 

苑さんはフライヤーを持って出てきた

 

まずはサポートを続けてきたJaYさんを指して

 

苑「これは悠の脱退の前から決まってたんだけど

   JaY 加入します」

 

嬉しい歓声 黄色い声にご満悦のJaYさん

 

J「ありがとござあぃまぁす」←これは聞かないとわからないけどイントネーションだけで全てを丸く収めようとしてる(笑)

 

JaYさんとは何者かと調べたところLIGHT BRINGERのギタリストらしい
グイグイ前に出るキャラで関西弁

燿さん曰く

メンバーよりもスタッフよりも誰よりも先に弁当に手をつけるそうで

根性が座ってるとこのこと

お客目線で見ると好き嫌いがはっきり分かれそうなタイプですが(笑)

あのパートをあんな余裕で弾きこなせる人はそうそういないでしょうね
アン様のような鋭利な音を出す人じゃないけど
結構な早弾きでも全然手元見てなくてすごい
メタルをあんなまろやかな音で弾けるもんなのかと
既存曲に斬新な解釈が生まれる音でした

 

苑さんに「2年でよくね  全部覚えてくれて」と褒められたら

自分で「そうですね」と言ってたんで(笑)なかなか自己肯定感の高い男とみとれます テレフォンショッキングかな

 

このあと難しいタイトルの新音源の発売と

ツアーの発表があった

FINALはBLITZ 

 

 

アンコール一曲目はhoney drop

今聴くと当時の曲は全部似ている気がするけれど

悲哀とメランコリーとかFaustのサビとか哀しくて好き

これぞ私が思うオペラ節です

 

JaYさんが悠さんに向かって駆け上がり高い位置で目立つ位置でスタンバイ

これはグロリア〜GLORIAの流れですね

サビが緩やかな旋律だからシンフォニックな合唱曲のような印象を持っているけど

改めてドラムを聴くとずっと全力疾走してるようで

これをやり続けてきたのかと思うとやりきれない気持ちになった

ラストのアカペラは今まで聴いた中で一番全力で

華奢な身体から全てを絞り出した声だった

 

一度目のアンコールを終えてステージが暗くなった

それでも響くアンコールにはスクリーンが降りてきて

新譜とツアー告知映像が流れた これで強制終了かと思いきや

もう一度メンバー出てきた

 

苑「今日はできるだけ長く一緒にいたい」

 

そう言って演奏されたのはSHINE ON

ポジティブなサビはみんなで歌えて

PANTHEONの中で私が一番好きな曲

 

 

ピックやらペットボトルやらが飛んでくるサービスタイムでは

JaYさんがギターそのものを投げる素振りをしていたのを私は見逃していないw

 

いよいよ袖に捌けようとするメンバーに燿「ちょっと ちょっと待って

写真撮っていい?」

 

客席をバックに何枚か撮影 

カメラマンさんの「3・2・1」の声のデカさに会場ほんわかw

 

燿「ちょっと そこで撮りたいそこで」とドラムセットの前を指す燿さん

 

遠足で移動の寸前に写真撮りたいって言って集合時刻にギリギリになる奴みたい

 

最後メンバー全員が手を繋いだ

苑さんの地声で「ありがとうございました!」

深く体を折る5人の姿に涙が止まらない良い場面なのにJaYさん一人だけ途中で顔を上げおった

このキャラはどう咀嚼すべきか次のツアーまでに考えます(笑)

 

 

2回のアンコール終えて悠さん以外の4人が袖に捌けた

 

退場SEで流れてきたPHOENIXに合わせて合唱する客席に

「最後まで歌ってくれますか?」

ステージでひとりタオルを握りしめた悠さんと一緒に

PHOENIXを全員で歌った

あの空気とたくさんの声が忘れられない

 

 

そして最後にマイク無しでこう叫んでステージを後にした

 


「10年間 ありがとうございました
 これからも摩天楼オペラ
    よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

命を懸けて音楽を愛し

全てを背負って音楽に苦しみ抜いた男の

なんと美しく純粋な姿

多分あれ以上最高なステージの降り方はない

心の底からかっこいいと思った

 

 

好きなバンドの脱退引退解散見届けマンなんで

そんなことじゃもう揺らがない自分もいて

というか揺らいでもどんなに悲しくても隠せる

 

こんなに心に深く届いて暖かくて

それこそ一音刻む度泣き続けたライブは久しぶりだった

音がどうとかじゃないね

あの場の空気だ

 

私は運命共同体で隊員で信者で薔薇の末裔だし仔羊で変人でメジブレイなんだけど

今日からオペラーにもなりますっていうくらい

このライブは素晴らしすぎた

 

※セトリお借りしました

 

 

引退しても何度でも戻ってこれるそれがヴィジュアル系

またいつか彼の音を聴ける日を楽しみに

きっと完治すると思います

 

see you next gig.

 

 

 

早く書き上げないと次のライブが迫っていると焦ったw

今夜はllll-Ligro-復活ライブを見てきます