SOLITUDE-klang

ヴィジュアル系オタクの冷酷で情熱的なライブレポ

【聴】KAMIJO/『OSCAR』

昨日キズが「雨男」のMVを公開しまして

それがあまりにも良くて今度はそればかり聴いているのでその話もしたいんですが

この記事下書き状態のまま1ヶ月w先にアップさせて

 

気付けばもう先月の話ですが

本命さんたちのツアーがひと段落して久しぶりにライブがない休日ができたので

昨年10月に出ているKAMIJOさんのアルバムを今更聴いてみました

 

(広告どこに入るんカナ)

 

2ヶ月間ずっと同じバンドの音楽ばかり聴いていたせいも手伝って180度違う世界観に着てるものをベルベットのヴァンパイアドレスに着替えるような心持ち ウエストがキツいわw

KAMIJOさんの音楽はソロ活動に入ってから作品を追うごとにどんどんオーケストラ色が強まる印象ですが今作は更に壮大でオーケストラをも超越しもはやファンタジー大作のサントラ(笑)

(私の耳の)ブランクがあるので余計そう思うのかもしれないけど私の知る範囲内では最もクオリティーが高く複雑難解な音楽を創っている人だと改めて思いました

以前からあるお屋敷に増築されていくような構成に一体どんな豪邸が出来上がるのかと

もしくは完成などないサグラダファミリアなのか

今年の年越し東急ジルベスターこれで良くない?

歴史的な作曲家の組曲と同じレベルでしょ

何度も言うけど音楽室のベートーベンの肖像画の隣にそっとKAMIJOさん並べてもきっとバレない

OSCARだけを聴いてもゾワァ~っと鳥肌立つような曲ばかりなんですけど

1stアルバムから聴いていると何かと繋がっているので通勤中になんとなく聴いていても

ちょっと待て待て もう一回アレ聴いてまた来るから待て・・・なぞなぞ解きながら進むかのような小技が随所に隠されています

 

AGENDA

悲しげなキーボードで始まる一曲目 まさかこのサビが後の・・

とは夢にも思わず短調長調を繰り返すAメロにカストラートの残像が重なります

いつも鍵盤でしかわからなくて伝わってるかわかりませんがw ラファドソってコードに(笑)(AFCG?)乗る壮大かつどことなく切ない旋律がKAMIJOさんらしくてそれだけで何とも言えない気分になります

一回目聴いて一番好きなサビだったHabsburg

タイトルもかっこいいなどんな意味だろと思って調べたところ1440年~1806年にかけてローマ帝国の王冠を戴いた(いただいた)ドイツの王家なんだそう 

ハブスブルクって読むのね←

こんなの曲のタイトルにする人KAMIJOさんしかいなそうw

フランスではなくドイツ ヨーロッパの歴史上最も著名で重要な王朝の一つであるって書いてあったのに全然知らなかったので世界史も勉強しなくちゃ偉そうにKAMIJO語りできないかもしれない(笑)

それはそうとサビのメロディーラインが新鮮なのに世界観はより強められ

ツーバスに乗った”憐れみを”という詞とその部分のメロディーラインが醸し出す孤独と苦境の表現がさすがとしか言いようがありません

サビ前に入る悲鳴のようなコーラス そしてそのコーラスで終わる締め方にこれはもうオペラなのではと錯聴しつつSHADOW OF OSCAR

私の中でKAMIJOモーリアに分類されている曲調で(笑)いつもアルバムの中に一曲は入っており過去作だとあまり好みではない方に入るんですけどなんですかこのコーラスは

コーラスで間奏に入ってその続きをギターが歌う構成も憎い 当たり前のようにオーケストラとロックを融合(笑)

 

Symbol of The Dragon

威風堂々と始まるイントロが徐々にペースを上げて荒天の中へ

その雨が一瞬止むかのようにボーカルが入るんですけど 

このキーを歌うKAMIJOさんの声がとても良い 騎士たちを冷静に先導する司令官の落ち着いた声色を思わせる貫禄溢れる歌声です

Aメロと間奏部分の変調とかまさにこのジャケットイメージのファンタジー映画のワンシーンに取り込まれているかのような気にさせられる

脳裏を過るのはエルフ耳で矢を背負ったレゴラス(若き日のオーランドブルーム笑)

嵐の中を勇敢に突き進むが如くリズム隊が次曲Beautiful Rock'n Rollに上手く繋ぎます

物語が第一難関に差し掛かった感じがしますね

耽美らしからぬ荒々しさのベースでありながら品格高く仕上げるのがKAMIJOバンドクオリティー 天才が天才しか連れてこない

同じパートを繰り返す終わり方も新鮮です

 

Behind The Mask 

KAMIJO定番の曲調 耳慣れた旋律 これはシングルカットされていましたっけ?

ギターソロが良すぎて涙出そうですw

この音源はドラムYUKIさんでしょうか 単純な構成の曲もこのドラムに乗ればこそ激しく高貴に仕上がる 全パートの微細な調整がいちいち秀逸

音楽性で言えばボカロとかサンホラが近い気がしますが

生演奏でこれだけのものがそのまま聴けるのは今のところKAMIJOさんとこが最高峰と思っています

この終わり方こそ大時計と共に「2024 happy new year!」そんな映像が浮かびますw

 

映画の中盤には戦が一段落して風景がパッと明るくなり妖精たちに出逢うシーンがありますよね そしてひと時の恋をする 今ココ fairytale 笑

いつもアルバムに一曲入るタイプの曲ではありますがこの曲はいい曲ですね

ライブだとどんなふうに歌うんでしょう(笑)

過酷な状況を一旦横に置いて安全な森で純粋な気持ちを思い出す休息もそろそろ終わり 

近づく不穏なイントロ 必ず迎えに来ると約束を交わして

 

Persona Grata

これがあまりにも超大作でした びっくりした 曲聴いただけでびっくりした

最初の”Persona Grata~”の後鳥肌止まらん なんなんだこの壮大な空気感は

KAMIJOさんの節回しも素晴らしい

ラファドソコード最高(笑)

ボーカルが被るサビの最初の4拍をストリングスのみにしてボーカルが追い掛けるように後半を歌う こんな こんな創り方 

ヴィジュアル系の曲をこんな創り方する人いる?w

どう考えても映画 すんごい長い映画 3部作くらいあるやつ

物語は佳境に 覚悟を決めて最後の渓谷を昇り始めたパーティの勇ましい姿が目に浮かび涙が出ます(本当に涙でましたw)

 

ここでEye of Providence

いつものノリの裏声曲かと思えばえええええ・・ これもKAMIJOモーリアなんだけどいつものそれと違う

英詞だしなんてかっこいいKAMIJOモーリア この旋律のサビがツーバスに乗ってるのも新鮮だしそう来るとは予想してなかった

ちょいちょい挟まる不穏なコーラスがストーリーの展開を加速させてって

更にはギターソロもいつもこうゆう曲には入らないスピード感

あの聞き慣れた旋律がこんな風に化けるとは思わなかった 新しい側面

 

TEMPLE 〜真夜中に咲いた薔薇〜

KAMIJOの既存曲でいうHeartみたいな展開 めちゃくちゃかっこいいです

オクターブを行き交うストリングスが作品のスケールをこれでもかというほどに拡げていくんですが

”道を開けろ”という詞から並々ならぬ気概が伝わり 過去のKAMIJOを知る人間の何かが刺激されます

”真夜中に咲いた薔薇”はKAMIJOさん自身のことなのかなと思ったり

独裁的な印象が強かった時代のKAMIJOさんが醸し出す 強烈な孤独感に惹きつけられて追い掛けていたんだけれど

数年空けて楽曲に触れても1ミリたりともブレておらず 真っすぐ前を見据え続けている

その覚悟をこの曲に見た気がします

OSCAR

表題曲の所まで来ました 展開はSangⅡの立ち位置かと思われます

もう何時間も一緒に旅をしてきたような気がしますが

ソロ活動を始めた時からフランス革命のアナザーストーリーのように繋がる物語

厳格なまでに信念を貫く姿のかっこよさは現在の動員に顕れていると思います

とにかく男性が多い

”人々の愛で包まれていたい”という歌詞があり 先ほど言いかけたことを続けるんですけど

 

私が知った頃のKAMIJOさんは青い血が流れているのではないかと思うほど 

極めて独裁的なオーラを放つ人でした

以前何かのレポに書いたと思うんですが 

LAREINE時代からファンタジックな架空の物語の中でしか情愛を描かないのは

彼自身が孤独だったからなのかなと思っていて そしてその冷血さが独特の魅力であったように記憶しています

活動を追い続ける中でそれが変わってきたと感じたのは

4年くらい前のMOSHIJOというイベントを見た辺りでした

ノスフェラトゥの前振りだったかと思いますが 

”耽美主義とは愛である” と話すKAMIJOさんは美しき冷酷なヴァンパイアの姿をした 人間でした

最近の作品もファンタジックな世界の中で描いているものではあるんですが

その中で紡いでいく愛の表現には血の赤を感じるようになり 今作が最高傑作に思えるのにはそんな見えない理由が含まれていると思っています

その証拠に Avec toi 〜君と共に〜

アーティストの差す「君」というのは 私達ファンを差す(と思い込むw)ことが多いですが

ライブで観ていなくてもこの曲に嘘を感じない

何を言われてもひとりきりで歩いて来た長い道の先にあったのは世界中のファンとサポートしてくれる天才奏者たち

簡単に真似ができる生き方ではないと思います

 

それでもう笑うしかなかった最後のこの曲w

NOBLESS OBLIGE

ソロ活動最初の作品Symphony of the Vampireの一曲目 PrestoとThroneのサビが一緒のキー違い

その後のアルバムSangは1曲目(インスト曲)Dead set Worldと2曲目のTheme of Sang

13曲目のSangⅡのメインメロディーが同じ旋律でできていてw(Thame of the sangはキーが違う)

今回は最後に収録されているNOBLESS OBLIGE のイントロ(サビも)が1曲目 AGENDAのサビと同じ旋律であるという巧妙な構成にホラゲの謎解きと同じ思考回路使いました

な なんだと~~~と思っていると今度は

最後のサビの後にThroneのCメロが入ってくるっていう

ww ww

いやいやいやと思わず笑いながらもう一度聴いてみればAメロがThroneのそれと同じコードでできているではないか

何遍夢を見ていた少年を待つんや

別のアルバムに入ってる曲のメロディーが新作の曲の後半に出てくるなんて誰も考えてないよ

バイオハザードかな?

どの段階からこうゆうの考えてるんだろうね 

KAMIJOさんが曲作ってく様子をPCモニターとかに身を扮して見守りたい 

とはいえ歌詞を読めばKAMIJOさんのルイへの愛が感じられ

それほどまでに想うのにはご自身の何かを重ねているのだろうとも思うしそれはそれでまた別の話ができそうですw

 

疲れるわーって言いながら音楽の変態大興奮ですよこんなのは(笑)

私が別のバンドに必死になっている間にこのアルバムのツアーは終わっちゃったんですけど(笑)

KAMIJOさんの世界観てちょっと被せられる人いないんで

どこを本命に追跡している時でも横目で見れない 一度聴いたら真顔で薔薇の花持ってしまうんですよね

私が何人かいてくれれば一人行かせたんですけどw

またソロのツアーしてくれることがあればPersona GrataとNOBLESS OBLIGEだけは生演奏聴かなきゃちょっと死ねないですね

完結までに3年はかかる超大作のファンタジー観た後味で2月後半ず      

    っ と OSCAR聴いてました

それでもまだ気づいてない仕掛けがありそう(笑) 

 

頭おかしい(天才)


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See you next review♪

 

 

 

 

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