SOLITUDE-klang

ヴィジュアル系オタクの冷酷で情熱的なライブレポ

12ヶ月連続コンセプトワンマンライブ「東京十ニ心中」【四月心中】-余命-不幸な迷路-○と×-@渋谷近未来会館

病院でお酒や運動に制限出る系の処置をした時ライブはどうなのか聞くじゃないですか

ご年配の先生だったのでヘドバンや折り畳みが伝わらなくて一生懸命説明しているうちに俺が演者と解釈され「本番前にこれ塗って」って軟膏渡されたw

本番前に塗りました

 

四月心中 すごく良いライブで かっこよくて

翌朝も目が覚めた瞬間から胸の辺りが暖かい何かで満ち満ちていました

こんな気持ちになるのはいつ振りだろうか

 

都内小箱で1番好きな渋谷近未来会館

Rexと同じキャパ謳ってるけどRexのが狭い気がしちゃう

300規模のソールド公演 毎月毎月何かの修行のようです(笑)

 

4/12(FRI)

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オープニングSEは入り口 

冷たい音に包まれて幕が開くと気をつけの姿勢でまっすぐ立ちこちらを見ている楽器隊

下手零夜さん 上手春芽さん センターの一葵さんの立ち位置に亞んちゃん 

くるっと振り返りジャケットを脱ぎながら亞んちゃんが定位置に就くのと入れ替わりにシャツ姿の一葵さんがステージへ

今日の一葵さんは密室寄りのメイクで

白キャンバスに足された色は黄色

不幸の始まり 

通常のライブではあんまり聴けない名曲

サビの拳から手扇子に移るところが好き そして何よりギターソロに入るところが最高すぎてなんとも言えない気持ちになる

生まれ落ちた瞬間芽生えた自我の視点で描いた世界 自我=不幸 という解釈が仏教が説く話みたいで面白いです

自我を「私」だと思い込み「私(個)」を認識するようになれば周りには敵が存在するように見えるし 敵に勝れない自分を卑下するし

この世に生まれることは不幸の始まりで

不幸を愉しみ味わう限られた時間

続いてコロナ禍のツアーで一度観て 通常仕様に戻ったらイントロが横モッシュでびっくりした気付いて

ずっとミとミ♭だけのリフ(素人ですまぬw)なのにイントロはモッシュでAメロは拳 不穏な音階の連続なのもかっこいいし振りとテンポのバランスも気持ちいいです

そして私が大好きな排水口

どんどん地下に連れてかれてる気がする 更に不穏なイントロが流れている間零夜さんはネクタイを外しシャツのボタンを開けて胸元を手で押し下げる(!)

水の滴る暗い洞窟の 閉鎖的な空間で見せられているのは人間ではない何かが暴れ回り叫び喚く姿

低い姿勢でその周りを飛び回る小さな虫のような動き方をする楽器隊も気持ち悪い

リリース時のボーカルは今より声が細く普通の曲()に聴こえるけど最近のライブは濁っていて澱んでいて狂気的で声量に余裕があるので派手な抑揚がついてものすごく気持ち悪い(褒めてる)

 

私の名前をちゃんと呼んでよ 洋楽のコードみたいだなっていつも思うけど

イントロとサビの直前に入るギターがすごく良い 良い

報われない 救われない 絶望しかない哀しみに泣き叫び 後半喉を潰すような激しいシャウトを繰り返すとマイクで自分の胸をゴツゴツと殴る鈍い音が響いてきた

今日の一葵さんは一段と振り切れていてどうかしている

心電図が刻む音 スタンドを前に持ってきてスタンドマイクで歌う余命

数秒置きに途切れるギターに乗せて 

一葵さんがマイクを通して呼吸を被せていたと思うんだけど

今思い出しても幻だったのでは思うくらいにそれが儚くて重くて なんとも言えない空気が包むあの瞬間は奇跡のように美しかった

死へ向かって駆け上がっていく後半のあの表現 すごいなぁ… 亞んちゃんが叩く音が見守るこちらの鼓動そのものみたいで息苦しくなる

大切な命を看取る瞬間をあんなに美しく描けるものだろうか

今日の余命 しばらく忘れられなくなりそう

 

朗読は 人殺し いい曲…笑

この世に生まれ落ちた瞬間を不幸の始まりとするならそこから思春期を経て片想いをして

実を結んだ恋の行く末…←今ここ なのかな

よくできてるなこのアルバム なんでこの時リアルタイムで追えなかったんだって

心中の度にどうしても思っちゃうな

春芽さんのギターで〇と‪✕‬に繋ぐ

この主人公不倫もして人生ハードモード

歌モノ続いてすっかり心奪われていたら

こんなぁ~ 素敵な夜だからぁ~

素敵な夜だから~

僕と~ 

 

セックスしませんかー?そっちか

誰もがラストダンスだと思って始まった交尾をしてよ

これはこのアルバムに入っていたんですね  ライブは最初からこの仕様だったのかな

コロナ明けてから左右移動に必死でまともに聴けたことなかったけどwサビの弦楽器隊重くてかっこいいなと今更

さっき余命歌ってた人と同じと思えないくらい諦めの境地で男と身体に依存する女が乗り移っている 毎度のことながら神業w

 

亞んちゃんがリードするあのリズムが聴こえる

今日はどんな帰り道か楽しみなフロアの手拍子に乗って

寄り道

"あぁ~今日も仕事疲れたなぁ~…

・・・

世の中は出逢いの春ですかっ

僕には出逢いなんかないよっ

職場男しかいないし ないよなぁ出逢いなんて

僕も彼女欲しいなぁ~…それでぇ…

あぁんなことやぁ!こんなこと~!⤴︎⤴︎

してみたいなぁ…

あれ? このコンビニ…あんな可愛い子いたっけ?…"

 

レジにいるであろうその女の子を陳列棚のあらゆる隙間からめっちゃ見てるんだけどその動き目付き顔つきが規格外のキモさを極めていて本物来たって感じだった

フロアからキャーーーッ!って声が上がってたけどいつものキャーーー♡ではなく変質者を見た時のキャーーーッ!!!!!だった w

全力で引いてるフロアに触発されて更に何度も何度も隙間からコンビニ店員見てはキモがられて楽しんでたのに

曲が終わった瞬間(すんっ) 急に変質者抜けてザアザア一葵に戻った  や  やっぱり曲毎に憑依されているのでは  

もしくは変質者なのでは

そのまま恋人ごっこのオルゴールが流れて複雑な心境に(笑)いい曲だよ…再び虚無に包まれ男に依存する女の子

零夜さんの低音が女そそのかしまくってそうですごく良い(褒めてる)

何人もの人格がスマートに出たり入ったりしている様子を見守りつつ ユメオチ わー!

レア曲 今度はうたた寝まどろみの世界へ

忙しなく引っ張り回される度いちいち発生する感情に自分で右往左往しながら所々ギュィーン⤴︎て鳴ってるギターちょーかっけーとか思ってて情緒不安定 ザアザアの物語の主人公になる女ぐらい情緒落ち着かないw

「不幸な迷路」 名盤だわ

このアルバムに限らずまじでいい曲しかない 

あんま好きじゃないと思う曲すらない

今日は演奏される曲がわかっているので私は知っている

"最後の歌" がこのアルバムに収録されていて

まだ演奏されていないことを

そして迎える本編ラスト

 

春さんがギターをポロポロ鳴らす音に一葵さんの話す声が重なる

 

不幸な迷路

人が生まれてから 死ぬまでに

経験することを 考えて

このアルバムを作りました

生まれてすぐ

不幸の始まり

もし 明日死ぬとしたら

・・・

人なんて いつ死ぬかわからない

明日 死ぬかもしれない

僕がもし 明日死ぬとしたら

みんなにこの歌を

届けたいなぁと思って

作った曲です

 

みんなが 最期に聴きたいと思う曲が

ザアザアだったら

いいなぁ

 

最後の歌

全身の強ばりを溶かしていく 不思議なイントロ だよねこの曲  

低音で始まるボーカルにも安心感を覚える

一葵さんの歌声は最初から最後まで揺るぎなく

楽器隊の眼差しはしっかりとこちらを見据えていて

4人が4人とも"着いてこいよ"なんて そんな上辺の覚悟じゃなくそこにいるのがわかる

落ちサビ 最初の2小節を歌っていないと思えばマイクを離して フロアを見渡してから 生声で 出せる力を振り絞り身体中から声を届ける姿は死をも受け容れた戦士のようだった

 

出口 再び冷たいSEが流れるとオープニング同様直立不動で立ち 1人ずつ頭を下げ拍手に包まれながら順に捌けていった

この世界に生まれることが入口 不幸な迷路を彷徨った後の出口とは

 

~アンコール~

ツアーのアンコールとは打って変わって本編と同じ衣装のまま MC無しで透明人間から

この時代のザアザアを知らないのだけど これは〇と✕の主人公と同じなのかな

とかってまた無意識にドラマを見てしまっていた

晴れのち雨のち曇りのち嵐 の生演奏を初めて聴いた  THE BOOMの「神様の宝石でできた島」みたいな雰囲気の あったかくて優しくて でもどこか寂しい曲

だと思っていたんだけど

穏やかに始まって徐々に感情を剥きだしにしていく生々しい表現があまりにも人生で

全部を包む優しいギターソロが染みた

今度こそラストダンス

待ってたんだろ?待ってたんだろ?ザアザアを

自信に満ちた表情で荒々しく煽る

お立ち台の零夜さんは前身ほぼ全開で低い位置に構えたベースをかき鳴らす(エr

ギターソロに入って曲調が変わる所で二カーって笑顔になる春芽さん無邪気な少年すぎる 普段怒鳴ってるのにw急に小学生かわいい

なんか 壮大な人生の縮図を見せられたみたいでいつもより曲数多く感じるけど入口と出口を除けばいつもと一緒なのか

本編ラストが最後の歌ならぐちゃぐちゃを最後にすると思ってた

今日で喉潰しちゃうんじゃないかってくらい  声出し切ってたから ザアザアのライブを見ていて初めて もういいよ…って思った

激しくてかっこいい曲だけど ライブ終わったら全員立ち上がれるのかなとか思っちゃう

この不安 懐かしいな

今日の猫ちゃんは 何色かなー?黒かなー白かなー終わりじゃなかった←

黒い猫ちゃんで締める  アンコールが5曲という いつもとちょっと違った構成

やり尽くした表情で捌けていくメンバーが頼もしかった

 

【Setlist】

(SE)入口
不幸の始まり
気付いて
排水口
私の名前をちゃんと呼んでよ
余命

(朗読)
人殺し
〇と✕
落とし穴
交尾をしてよ
寄り道
恋人ごっこ
ユメオチ
最後の歌
(SE)出口

~アンコール~

透明人間
晴れのち雨のち曇りのち嵐
ラストダンス
ぐちゃぐちゃ
黒い猫ちゃん

 

ただの音楽ファンとしての個人的な嗜好ではあるんだけど

今まで観たワンマンの中で今日が一番 観たいと思っていたライブだった

ザアザアのライブはいつでも楽しいし驚かされるし 本気でかっこいいと思ってるけど

あと一息何かしらのラインを越えられていないようなもどかしさが離れなくて

別にそんなの私の勝手な期待だから越えるも越えないもどっちでもいいんだけど

通っていた他のバンドで何度か観た  今日で解散としか思えない覚悟で魅せられる最強のライブをいつかザアザアでも観てみたいって

ずっと思ってたのを久しぶりに思い出した  (以前どこかに書いたと思う)

今日それを越えたと思う 

満足感というよりも

このバンドを好きなことを誇りに思うし もっと好きになったし

この気持ちを誰にも渡さないで独り占めしたいし

世間一般の同世代が持っているものなんて私は何も持っていないけど

この先もずっとこのままでいいし 他のどの幸せも要らないから

 

絶対にいなくならないで

誰も欠けずに ずっとそこに居て

子供みたいに本気でそんなことを願う夜だった

 

10年の節目を控えているザアザア 地道に敵を倒しては進み 立ちはだかる壁を潜り抜け

ここへ来て何か大きな関門の手前に辿り着いたような感触がある

周年に向けて熱量をMAXまで上げていくであろうソールド祭り できれば残りも全部参加したい所存

狭くて苦しいしチケ取り勝てる自信ないけどw下半期も色々なこと感じたい

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■今後の予定

4/27 → 春時雨仙台
4/30~5/1 →春時雨高松・高知
5/3~5/4 → 春時雨大阪・名古屋
5/6 → VIRGE行くかまだ迷ってるw

 

無意識に仙台を遠征圏に入れてなくて毎回焦る

ばばぁ日帰りきついけど今更ホテル取れない値段だった(笑)

 

See you next gig.