SOLITUDE-klang

ヴィジュアル系オタクの冷酷で情熱的なライブレポ

【聴】アルルカン/『MONSTER』

昨日は現在の本命バンドの新譜発売日だったのでその話もしたいんですけど

先週発売になったアルルカンのMONSTERがちょっと素晴らしすぎたので今時誰もしない主観的なブログ音源レビューを

MONSTER (通常盤)

MONSTER (通常盤)

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昨年の夏コーストでほぼ1年振りの対バンイベントを見たんですけど

あの時からアルルカンが醸し出す強い何かに心が揺さぶられ続けており

見る度覚悟を強め仲間のバンドとファンを巻き込み団結していく姿があまりに勇ましかったので

このアルバムの発売をとても楽しみに待っていました

 

もはや聴く前から(笑)涙が溢れるような熱い想いの詰まった作品でした

旗のもとにという曲がとんでもないエネルギーを醸しているので

これから聴かれる方はぜひ最初から順番通りに聴いてみることをお勧めします

この「旗のもとに」からトリに構えている世界の終わりと夜明け前へ繋がるその曲間に

開けた未来が見えてくる

 

やり場のないもどかしさがこぼれる暁さんの第一声

MONSTER とても前なんか向ける状態じゃなくたって無理矢理にでも立ち上がり戦ってやるという意志を感じる 新しいステージの始まり

暁さんの頭からツノが消え それでも以前に増して勇敢に突き進む姿はまるで神風特攻隊のようです

持てる力 それ以上の全てでステージに立ち続け

8年かけて信頼と絆を深めた愛すべきダメ人間達を抱えたまま

世界はまるで裏側にひっくり返るように変わってしまった

そんな絶望から立ち上がる決意を感じたのが先述の「暴く」という対バンイベントした

断崖絶壁を前に芽生えた強い決意を「世界の終わりと夜明け前」と共に掲げたあの時から今日までの間に

更に強めた結束力やこのシーンに対する想いを聴いているとこちらまで魂を奮い立たされます

"歓喜の叫びを"で一旦リズムが変わるのもアルルカンらしくて

ライブだったらこうなるんだろうな なんて想像しながら

アルルカン節から離れ でもアルルカンでしかない 新たなスタートダッシュ

 

サイレン

「世界の終わりと夜明け前」のカップリングに入っていたのにMONSTERの流れで聴いていくと違う曲に聴こえる 

安定感ある堕門ちゃんのバスドラが客席を引っ張っていくのが目に浮かびます

あらゆることが変化して あらゆる事柄が浮き彫りになって

だけどそれは見栄や装飾に隠されていただけで本当はずっと前からそこにあった 

見たくない何かを直視しなくちゃいけない そんな思いを誰もがしたんだろうなと

この2年間を振り返りながら聴いています

 

bash 脳 down

一昨晩ライブ映像が公開されました


www.youtube.com

セトリのどこに持ってきても客席のテンションがぶち上がりそうな暴れ曲

乗り慣れたリズムの間を縫うようにしてスローテンポのエフェクトが挟まれていて

静と動を繰り返しては混同する

幸せに見えるように歩いている この時代を生きる我々の人生みたいです

 

TARANTULA

これがかっこよくて本当に 

短調長調(素人表現ですみませんw)が一つのサビの中に入っているの大好物なんですけど

定番のABメロを乗り越えてメジャーコードになる瞬間未来が開けるような感覚になるのがたまらなくかっこいいのに

それも幻想だったかのように一瞬でコードが戻る

野太い声で挟まるコーラスは最高に勇ましく

アルルカンとダメ人間ならどんな敵にだって勝てる気さえしてくる ジハードに挑む兵士達の戦歌のようです

 

エレジー

これぞアルルカン節哀愁歌謡 初めて「墓穴」を聴いた時の感動を思い出します

「あの窓に教わったこと」に並ぶ曲調で覚えやすい旋律だけど

今のアルルカンだとこんな風に仕上がるんだなと

にわかダメ人間でさえバンドの急激な進化に狼狽えてしまいます

高音になると甘くなる暁さんの独特の声が切なくハマっていて泣けてくる

続く 

いかに大きな使命を背負いいかにそれしかないかの痛烈な表現に同化してしまい

自分ごとのように苦しくなる

メンバーが傷だらけに思えて辛い

ボーカルの続きを歌うようなギターも果てしなくエモい 

いい曲だなぁと浸っていると捲し立てるような疾走感のいばら姫

"ひとつになんかなれないから バラバラのままで構わない"みたいな記述を いつかの暁さんのインスタで見た気がするんですが

アルバムをストーリーにして聴くなら

先導するモンスターに引っ張られて立ち上がる我々バンギャを表現しているようにも思えます

でもこの曲確か作詞ヘイさんなんですよね(?笑)

バラバラなままで同じ方向を向く唯一の瞬間 それこそが”束の世界”だったのかなと解釈してるんですが

それをこの曲が説明しているように聴こえます

 

ブルーキャンディー

TARANTULAにも神のアンサーというワードがあったけど

神に答えを求めたり 自分の外に正解を探すのではなくて

自分の信じた道を進むという決意表明のように受け取れます

誰になんと言われようと ”死ねと言われても” と露骨に表現するほど

台風の目になり巻き込んで行くのだという勇ましさ

会場中がジャンプしながら同じ想いを叫ぶのかと思うとその勇敢さに今から鳥肌が立ちます

ライブかっこいいだろうなぁこれ

 

わかれうた

このタイミングで中島みゆきかと 男女の別れだけではなくて

握りしめている思いや古い自分との決別に例えても

その決断は間違いではなかったと思わせてくれる曲

転調で入ってくるギターソロが最高すぎて 

歌うように重なるアルルカンのギターも大好きな音です

 

旗のもとに 

この曲の感想文を残したいがために今日のブログを書きましたってくらい

我々の予想を遥かに超えた超大作だと思うんですよ

どんなWe will rock youかと思えばこんな風に仕上がるものなの?これこんなにかっこよくなるの?笑

曲中様々なテンポが入り混じるのが斬新 こんな曲はあんまり聴かないですが

V系の括りからはみ出ていないのに唯一無二に仕上がっていて本当に感動しました

どんなペースで歩いてる奴らもみんな引き連れて行くんだなと思えてめちゃくちゃかっこいいし

ハンドクラップに乗って入るイントロのギターからもう泣ける

何これ 音源だけなのに完全なる一体感を覚えるんだけど笑 最高傑作じゃない?

最後にはまたスローペースのハンドクラップに戻っていく 

ライブでもこの手拍子をするのですよね

これはやばい 絶対生で聴きたい

 

そしてあの曲に繋がる

最後に収録されている世界の終わりと夜明け前

ツノを無くしたMONSTER 手探りの闇でバラバラの個性達を引き連れ

世間の掲げる定規じゃなくって己の正義を信じ抜き

センターで旗を持つ 絶対に死なないアンチヒーロー

一体となったステージと客席が見つめる先には小さな光がある

 

夜が明けるんだ

 

シングルとして出た時とは違う役割を担っている

不安定で先行き不透明だったあの夏よりも強い信念と自信を伴う臨場感に乗って

アルルカンと一緒に夜明けの瞬間を見てみたくなりました

 

音楽の底力を感じる凄い作品だった

最近の私はザアザアにフィルターがかかっているのでアルルカンは客観視(聴)していると思うんだけども

それでもこれは凄いアルバムですよ

ライブを見ながら曲が変化することはあっても

音源だけでシングルとして出た時とこんなに貫禄が違うとか

涙が出るほどの熱量を感じるとか

どうやって作ったらこんなことになるのかと思う

 

いつかまた暁さんにツノが戻ってくる日が来るのだろうと思うんだけど

それまでの展開を見届けたくなってしまったので

久しぶりにワンマン行きたいと思ってます 

しかし行ける日の公演はソールドしている(笑)

4月まであるので後半どれか一本は見たいと思っています

毎日聴いて歌詞読んでちょっとずつ記事書いてたんで残業してないのにまた連日4時間睡眠(馬鹿)

今夜はもう寝ます

 

感想文お読み頂きありがとうございました

次回はメリケンサックでお会いしましょう

 

See you next gig.

 

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